「ソードアートオンライン」のフルダイブの仮想現実について。
「ソードアートオンライン」知りませんが、以下のような質問を受けたので自分なりに回答してみます。
YouTubeを見て興味を持ちました。素敵なセンスをお持ちで、ルフィのようだなと感じました笑
1つ、ブレインコンピューターインターフェースについて杉本さんの見解をお聞きしたいのですが、
アニメ「ソードアートオンライン」のようなフルダイブの仮想空間は実現し得ると思いますか?
私は遠い将来そうなると思っていますが、いま28歳の自分が死ぬまでにできそうかというと、無理だと思っています。
前提情報について触れましょう。
フルダイブ仮想現実の定義
フルダイブ仮想現実は、脳と機械が直結し、五感を通じて仮想世界を体験する技術。身体を動かさず、脳信号だけで行動を制御し、現実と見紛う没入感を生み出します。その可能性はエンターテインメントに留まらず、教育、医療、社会構造そのものを変革する。しかし、可能性は課題と共にある。私はその両方を冷静に解剖する。
没入後の人類の役割とかを想像すると現実でたまにあるシミュレーションっぽい感じがします。
デジタル・エンティティ
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調停者
↓
監視者
↓
創造者
↓
共振の場
↓
純粋な意志
↓
原初の点
↓
無限の循環
BCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)
フルダイブ仮想現実の基盤はブレインコンピューターインターフェース(BCI)です。脳の信号を読み取り、外部に伝達するこの技術がなければ、仮想世界への扉は開きません。現状を分析します。
現状の課題1:信号の限界
脳波は微弱でノイズに埋もれます。現在のBCIは単純な動作の検知が限界であり、複雑な仮想行動を制御するには程遠い。精度向上が不可欠です。
現状の課題2:侵襲製の壁
高精度を求めるなら脳に電極を埋め込む必要がありますが、これは手術を伴います。非侵襲型では精度が不足し、普及は困難です。技術はここで足踏みします。
現状の課題3:速度と安全性の欠如
リアルタイムの体験には高速通信が必須ですが、遅延とエラーが常態化しています。脳への直接接続は誤作動が許されません。安全性が確保されない限り、実用化は幻想に終わります。
BCIは進化の途上にありますが、フルダイブ仮想現実には未到達です。まずは楽観を排し、現実を視ましょう。その上で、理想に近づくための仮説検証を洗い出すことが重要です。
現在の進捗
研究は進むが、距離は遠いです。
テトリスみたいな簡単なゲーム操作とか、電気信号の検知くらいしかできないです。
医療応用で、アルツハイマー病の短期記憶喪失を徐々に回復させる記憶回復マイクロインプラントとか、世界的なインスリンの不足とコストの高騰に対応する電子膵臓とかはあります。
Neuralinkも脳信号のリアルタイム読み取りに挑んでいますが、実験段階を出ません。
人間への適用は限定的です。

第一次AIブーム(「推論」や「探索」しかできない)辺りと似ていて、個別の課題も解決できるかできないかレベルです
AIとロボティクス
BCI単独では不十分で、他の技術との連携が鍵となります。
生成AI
剣で魔物を倒したり、スキルで跳躍したり、炎魔法を放ったりみたいなことは、現時点では生成AIがその役割を担っています(所謂、脳みその拡張です)
ロボティクス
人工知能が自己フィードバックによる仮説検証を行った場合、更にロボティクスによってハードウェアや現物の世界でもそれを行うようになった場合を想像してみてください
BCI(ブレイン・コンピュータインターフェース)は「トレンディ」ではないですが、テクノロジー起業家や研究者が足を止めない限り発展は進みます。
制約
技術が解決されても、その他の山ほどの問題を潜り抜ける必要があります。
進まないのは政治や倫理的な要因がほとんどです。(時期尚早・プライバシー・金銭的リターン・政治的稟議・科学的根拠の実証・一般の人々に普及するかなど)
やるべきか
相当の理由がない限り、人生の時間を無駄に費やすことになると思うので、自分の頭で取り組むべきか考えましょう。
自由意思によって実現を早めることもできるし、他力本願で時期を待っても良いです。どうせ死ぬし。
実現する可能性と実現しなかった労力のリスクと実現しないまま死ぬリスクのトレードオフです。