NISQとFTQCの主な違いについて触れて、今後の立ち回りについても考慮します。
NISQとFTQCの違い
NISQ | FTQC | |
アルゴリズム | 浅い量子回路、変分量子アルゴリズム(VQE, QAOA等)、ハイブリッド量子-古典アルゴリズムが主流。 | 量子誤り訂正を用いた深い量子回路、量子フーリエ変換、量子位相推定等の完全な量子アルゴリズムが可能。 |
エラー耐性 | 量子誤り訂正なし。ノイズや誤りの影響を受けやすい。 | 量子誤り訂正コードを使用し、ノイズや誤りに対して強い耐性を持つ。 |
量子ビット数 | 数十~数百量子ビット程度。 | 数千~数万以上の論理量子ビットを想定。 |
SDK | Qiskit, Cirq, Q#, PannyLane 等、比較的シンプルなSDKが主流。 | 量子誤り訂正や大規模な量子回路を扱えるSDKが必要。 |
ハードウェア | 超伝導、イオントラップ、シリコンなど。 | 中性原子方式が検討されている。 |
応用分野 | 量子化学、組合せ最適化、機械学習等、一部の問題に特化した応用が主流。 | Shorの素因数分解アルゴリズム、量子シミュレーション等、広範な応用が可能。 |
実現時期 | 現在利用可能。今後数年で性能向上が期待される。 | 後数十年の研究開発が必要。実現時期は未定。 |
立ち回り
最適化や機械学習、イジングモデルが下降気味であるため、特定の範囲に特化する戦略ではなく、汎用的な物理・数学や量子回路、量子フーリエ変換、量子位相推定などのアルゴリズムに注力すること。